稽古が休みの日。千明は服を買いに、茉子は映画を観に行こうとするが、流ノ介からの提案で親睦を深めるために遊園地に行くことに。
流ノ介「殿もぜひご一緒に」
丈瑠「俺は用がある。お前達で行ってくればいい」
茉子「あ~まだよく分かってないのが1人いたっけ」
千明「あいつ、まだ何かつかめねぇよなぁ」
兜折神を見つめる丈瑠…でオープニング。
遊園地の4人。
流ノ介「はぁ…殿とご一緒したかった」
ことは「うん」
茉子「だから用があるんでしょ。何の用か知らないけど」
千明「そういうこと言わないよな、あいつ。俺達と一線引いてるっつうか」
流ノ介「そんなことはない」
千明「あるって。俺、丈瑠と普通にしゃべったことねぇもん。つうか笑ったことあったっけ、あいつ」
流ノ介「侍たるものヘラヘラ笑うものではない」
千明「ヘラヘラですいませんねぇ」
茉子「やめなさいよ」
ことは「稽古かも」
1人で稽古している丈瑠
彦馬「足りませんな。この秘伝ディスクを使いこなすには少なくとも倍のモヂカラが必要です。今の殿ではまだとても…」
丈瑠「そうやってしまい込んでたらいつまでも使えないだろ。外道衆との戦いが今のまま順調とは限らないし、新しい力を準備しておかないと」
彦馬「そのためにひとり残って稽古を…? ご立派な心がけ。本当なら殿も遊園地に行きたかったでしょうに」
丈瑠「なっ別に俺は」
彦馬「イヤイヤ昔はよく遊園地に連れてけ連れて行けと駄々をこねておられましたぞ」
丈瑠「そうだっけ」
彦馬「ただ殿は怖がりでしたから、いざお連れしてもおとなしい乗り物を一つ二つだけ。一度お化け屋敷に入ったときなどはおもらしも」
丈瑠「…!」
彦馬「思い出しますなぁ…ハハハ」
丈瑠「その話はいいって。何度目だよ、それ」
彦馬「(笑っている)」
丈瑠「(咳払いをして)さ、稽古を続ける」
遊園地に現れたアヤカシ・ヤナスダレ。刀による攻撃が効かず、丈瑠も応戦するがモヂカラも通用しない。
千明「どうすりゃいいんだよ、あのアヤカシ」
茉子「刀じゃ全然斬れなかったし、モヂカラも効かなかった」
流ノ介「あのとき、もしアヤカシが水切れを起こさなければ…」
ことは「うちら、あかんかったんかな」
彦馬「いかん、いかんぞ。恐れは最大の敵となる。怖気づいたり自信を失くせば勝てる敵にも負ける。戦いにおいては時として力よりも気持ちが勝敗を決するのだ」
千明「んなこと言ったって。力がなきゃ勝てねぇし」
丈瑠「力ならある。あのアヤカシにモヂカラが通用しないというのは間違いだ。あのとき、確かに奴はダメージを受けていた」
茉子「でも倒せなかったじゃない」
丈瑠「モヂカラが足りなかっただけだ。もっと大きな力を使う」
兜ディスクの説明。外道衆たちの戦いでなくなってしまった秘伝ディスクだったが、兜ディスクだけは志葉家に残った。
彦馬「ただし、使いこなすためには少なくとも2倍以上のモヂカラがいる」
千明「2倍?」
茉子「そんな…」
丈瑠「俺がやる。お前達は心配しないで傷を治しておけ」
千明「おい、2倍だぞ、2倍。できんのかよ?」
丈瑠「出来るから言ってるんだ。秘伝ディスクは代々志葉家当主が使ってきたんだからな。俺ならできる」
千明「なんだよ。早く言えよ、ていうかさっき使えって話だろ」
丈瑠「使う前にアヤカシが逃げた。次は使う」
茉子「あのときの丈瑠、使うのためらったような…」
丈瑠「俺ならできる…か」兜ディスクをじっと見つめる
夜中に稽古する丈瑠と見守る彦馬
丈瑠「全然足りない。この程度のモヂカラじゃ…こいつは使いこなせない」
彦馬(モノローグ)「モヂカラは大きくなればなるほど制御が難しくなる。下手をすれば自分で自分を…しかしあのアヤカシに勝てる可能性があるとすればあのディスクしか…。まだ使えぬと言えば戦いに不慣れな流ノ介達の恐れは戦いを不利にする。彼らの支えとなるのは殿の強さのみ。その強さに微塵の揺らぎもないからこそ命を預けて戦える。それが分かっているからこそ殿は1人で…。背負わねばなりません。志葉家十八代目当主」…Aパート終わり。
また現れたヤナスダレと戦う家臣達。丈瑠は稽古していた場所で倒れている。
彦馬「殿! 殿! (モノローグ)これほどの傷で戦わねばならんのか。侍というだけで。殿というだけで」
ヤナスダレと対峙する丈瑠
ブルー「殿!」
グリーン「おい、早くしないと…」
兜ディスクを使うことに躊躇しているレッド
ピンク「丈瑠、やっぱり何か変」
丈瑠はぶっつけ本番で兜ディスクを使う。
一の目を撃破し、兜ディスクから兜折神を出して、カブトシンケンオーとなり、二の目も撃破。
ことは「殿様、一緒に遊園地どうですか? 休み途中やったし」
流ノ介「休日をやり直しましょう。殿もぜひご一緒に」
丈瑠「イヤいい。お前達で行って来い。俺は先に帰る」
流ノ介「え…」
千明「何だかなぁ。やっぱとっつきにくいよなぁ」
茉子「ていうか掴まれないようにしてるのかもね」
一同「は?」
茉子「別に。何となくってだけ」
彦馬の顔を見て安心して倒れる丈瑠
丈瑠「正直かなりビビった。もし失敗したら終わりだからな」
彦馬「お見事でした。お見事でしたぞ、殿」
歴然と殿と家臣に力の差があり、その殿さえ使いこなすのが難しい兜ディスク。丈瑠と彦馬さんの関係性が分かる話でもありますね。彦馬さんの前では笑顔も見せていますが、まだまだ家臣の前ではデレない殿でした。