Mission14後の青黄。
ヨーコが秘密に計画していたサプライズパーティーは仲村がバラしてしまったが、みんなそれぞれ喜んでいた。後片付けをしていると、ヨーコと仲村の2人になる瞬間があった。仲村はヨーコのそばにやって来てサプライズの中身を早々に明かしてしまったことを謝った。
「もういいって。楽しかったし」
「ヨーコちゃんがうらやましいです。リュウジさんもヒロムくんもすごく心配してましたよ。リュウジさん、ヨーコちゃんのこと思って怒ったり、涙ぐんだり…結構感情的な方なんですね」
「リュウさんが?」
仲村から聞くところによると、チューバロイドに『ヨーコは本当に無事なんだろうな?』と怒りをあらわにしたり、サプライズパーティーを知ったリュウジが『あの小さかったヨーコちゃんが…』と涙ぐんだりしていたらしい。
ふぅ~ん、リュウさんがねぇ…と思わずヨーコの頬が緩む。
「じゃこのゴミ捨ててきますね」仲村が部屋を出て行くと、入れ替わりにリュウジが入ってきた。
「お疲れ」リュウジがヨーコの頭に手を乗せた。ふふふ、と照れ笑いを浮かべ、ヨーコはリュウジに抱きついた。
「どうしたの?」
「リュウさん、心配してくれたんだなぁと思って」
「当たり前でしょ」
「すっかりお父さんみたいだね」
「お父さんは酷いなぁ。なにもできなくなる」リュウジが優しくヨーコの頭を撫でた。
「私はお父さんとは思ってないから」ヨーコがリュウジの胸にさらに頭をぎゅっと押しつける。
「今度、リベンジしよっか」
「なにが?」ヨーコが顔をあげた。
「遊園地行こうよ。ウサダには内緒で」
「うん! 行きたい行きたい!」
「…服は仲村さんに見立ててもらった方がいいかな」
「え? 変だった?」
「もっと大人っぽい格好してくれないとホントにお父さんになる」
「じゃ、もっと色っぽい格好するね」
「イヤ、それも困るな…」
「どっちなの?」2人は顔を見合わせて笑う。
「あーヨーコ! こんなとこで何してるの!!」ウサダがすごい剣幕で怒っている。「リュウジ、離れて!!」
「イヤだ」2人の声が見事にシンクロした。